
中国の実名認証とは?実名認証を突破して中国のWebサービスを利用する方法
中国の実名認証制度は日本からでも突破が可能です。個人情報を守りながら中国のWebサービスを利用するための回避方法を徹底解説。パスポートを利用しない方法を含めて、リスクを回避しながら突破する方法を紹介します。
2024-08-160分で読むTips
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中国における実名認証とは?
中国における「実名認証」(实名认证)とは、インターネットサービスを利用する際に、利用者が本名や本人確認情報を提供することを義務付ける制度を指します。この制度は、オンラインの匿名性を制限し、インターネット上での行動をより管理・監視しやすくすることを目的としています。 このシステムでは、主に本土中国に居住する人々は中華人民共和国居民身分証(中华人民共和国居民身份证)を、香港や澳門などの行政区に加えて、台湾に居住する人々は港澳台居民来往内地通行証(港澳台居民来往内地通行证)により割り当てられたIDを使って本人確認を行います。
実名認証は、特にソーシャルメディアやオンライン掲示板、オンラインショッピング、決済システム、ゲームプラットフォームなど、幅広いインターネットサービスで適用されています。例えば、中国国内で最も人気のあるSNSであるWeChatやWeiboを利用する際、ユーザーは携帯電話番号や身分証明書番号を登録し、本人確認を完了させなければ、サービスに全く登録できなかったり、あるいはほとんどの機能の利用が制限されます。
この制度は、中国政府がインターネット上での言論や行動を管理するために導入しました。インターネットの匿名性が高まるにつれて、誤情報の拡散や違法な活動、政府に対する批判的な書き込みなどが増え、これに対応するために、中国政府は2017年10月に実名認証の本格導入を開始しました。これによって、百度や腾讯、网易をはじめとする多くの大陸中国をターゲットとするWebサービスは、本名と政府発行のIDナンバーを照合しなければ使用することが困難になっています。
もっとも、こうした実名認証はシステム上のお話であって、SNSの書き込みに本名が紐づけられ、それを誰もが確認できるというものではありません。他のほとんどすべての国と同様、プラットフォーム上では通常通りハンドルネームを使うことができます。ただ、政府にとって、その書き込みがどこの誰によるものか特定することが何ら制約なく行うことができるということです。
当然ながら、こうした実名認証は外国人にも影響を与えます。旅行やビジネスで中国を訪問した際、国内のWebサービスを利用する際には、外国人であっても、同様に実名認証を求められます。これにより、利用可能なサービスが限られたり、認証手続きが複雑化する場合があります。
このように、実名認証は中国のインターネット利用における基本ルールとして、社会に深く浸透しています。利用者がサービスを快適に利用するためには、この制度に従う必要があり、認証の手続きを避けることは事実上困難です。しかし、プライバシー保護や監視社会に対する懸念も根強く存在するため、今後もこの制度のあり方についての議論が続くと考えられます。
以上のように、実名認証は中国のインターネット利用における基本的なルールであり、利用者がこの制度を理解し、適切に対応することが求められています。
本記事では、このような実名認証が導入された背景を踏まえて、実名認証を突破することが可能かどうかご紹介しています。
実名認証が求められる場面の例
中国において実名認証が求められる場面は非常に多岐にわたります。
ここでは、外国人も多く使うWebサービスを特に20個例示します。
- WeChat (微信) - 中国最大のメッセージングアプリ。
- Weibo (微博) - マイクロブログプラットフォーム。
- QQ - インスタントメッセンジャーとSNS機能を兼ね備えたサービス。
- Douyin (抖音) - 短編動画共有プラットフォーム(国際版はTikTok)。
- Kuaishou (快手) - 動画共有サービス。
- Momo (陌陌) - 出会い系アプリで、SNS的な機能も備える。
- Zhihu (知乎) - Q&Aプラットフォーム(中国版Quora)。
- Bilibili (哔哩哔哩) - 動画共有プラットフォーム、アニメやゲーム関連が人気。
- Xiaohongshu (小红书) - ライフスタイルSNSで、ショッピング機能も充実。
- Tantan (探探) - 中国における代表的なデーティングアプリ。
- Taobao (淘宝) - 中国最大のオンラインショッピングプラットフォーム。
- JD.com (京东) - 中国の大手Eコマースプラットフォーム。
- Pinduoduo (拼多多) - ソーシャルショッピングプラットフォーム。
- Suning (苏宁) - 家電や消費財のオンラインショッピングサービス。
- VIP.com (唯品会) - ファッションやライフスタイル商品に特化したECサイト。
- Tmall (天猫) - Taobaoの高級版で、ブランド品を中心に取り扱う。
- Meituan (美团) - フードデリバリーとショッピングの統合サービス。
- Ele.me (饿了么) - フードデリバリーサービス。
- Alipay (支付宝) - モバイル決済プラットフォーム。
- WeChat Pay (微信支付) - WeChat内でのモバイル決済機能。
これらのサービスは、登録時または利用時に実名認証が求められるケースがほとんどです。
中国国内では実名認証による本人確認がWebサービス提供事業者へ義務付けられているため、実名認証は驚くべきスピードで普及しています。
では、これらのWebサイトで実名認証を回避して利用したり、IDナンバーを持たない外国人が利用する手段はあるでしょうか?次の項目で説明します。
実名認証を突破する方法
パスポートを利用して認証する
中国での実名認証は通常、身分証明書として中国国内の身分証(身份证)を求めますが、外国人の場合、パスポートを利用して認証を行うことも可能です。NeteaseやAlibaba Cloudなどをはじめとする多くのWebサービスやアプリでは、外国人ユーザーがサービスを利用できるように、パスポート情報を登録できるようにしています。
パスポートを使った認証の手順は、サービスによって異なりますが、一般的な流れとしては以下の通りです。まず、アプリやサイトでアカウントを作成し、実名認証が必要な場面で「外国人ユーザー」としてパスポート情報を入力します。多くの場合、パスポート番号や氏名、国籍などの情報が求められ、さらにパスポートの写真やスキャン画像をアップロードする必要があります。顔認証が追加で求められることもあるので、パスポート写真と一致するように注意が必要です。
しかし、パスポートを利用しての認証には注意点もあります。まず、、外国人のパスポートによる認証が一部サービスで完全に受け入れられない場合があることです。特に金融関連のサービスや特定の政府機関が運営するプラットフォームなどの外国人の利用を想定していないサービスでは、パスポート認証が対応していないことがあります。そのため、利用できるサービスが限られる可能性があります。また、通常の実名認証は完全にデジタル化された手続きであることから数秒で完了しますが、パスポート認証は手動での確認が必要となることから、通常よりも検証に時間がかかることも多いです。
パスポートを利用した認証は最もスマートな解決策であり、中国のインターネットサービスにアクセスする外国人ユーザーにとって有効な手段の一つですが、完全な解決策ではないことを理解しておく必要があります。
エージェンシーを利用したり、中国人の友人の助力を得て登録代行を依頼する
中国の実名認証を突破するもう一つの方法は、エージェンシーを利用するか、中国人の友人の助力を得て、登録代行を依頼することです。この方法は、特に外国人が中国国内の身分証や電話番号を持っていない場合に利用されることが多いです。
エージェンシーは、専門の業者で、代行して実名認証を行うサービスを提供しています。これらの業者は通常、中国国内において実名認証に必要な情報を持っており、顧客に代わって登録手続きを行います。料金はサービスによって異なりますが、基本的には有料で、信頼できる業者を選ぶことが重要です。エージェンシーを通じて認証を行うことで、時間を節約でき、手続きをスムーズに進めることが可能です。
一方、中国人の友人に登録を依頼する方法もあります。中国国内に住んでいる友人や知人に、自身の身分証や電話番号を使って実名認証を手伝ってもらうことが考えられます。この方法は、信頼できる関係性があれば、費用をかけずに認証を行うことができます。ただし、友人や知人の情報を使用する際には、プライバシーや責任の問題に十分注意する必要があります。万が一問題が発生した場合、その影響が友人や知人にも及ぶ可能性があるため、事前にリスクを共有しておくことが重要です。
このように、エージェンシーや友人の助力を利用することで、中国の実名認証を突破することが可能ですが、どちらの方法も一定のリスクが伴うため、慎重に検討することが求められます。
在留中国人はあらゆる国に居住しており、デーティングアプリなどを介して知り合うことは容易です。仲の良い中国人の友人が出来たら、登録の手助けをしてもらえないか聞いてみるのもよいでしょう。
中国の電話番号を使った本人認証を行う
中国の実名認証システムは、携帯電話番号を利用した本人認証が一般的です。特に、SMSを通じた確認コードを受信して、アカウントを有効化する方法が広く使われています。このため、中国の電話番号を取得することは、実名認証を突破する重要な手段の一つとなります。
中国の電話番号を入手して実名認証を行う
中国の電話番号は、中国国内外から購入できます。
中国国内では、旅行者や外国人向けのプリペイドSIMカードが空港や通信キャリアの店舗で販売されています。
または、中国国外からであっても、オンラインで中国の電話番号を入手することも可能です。中國聯通の提供するCUniq網上商城では、中国の電話番号が付属するeSIMや物理SIMを比較的安価に入手することが出来ます。
ただし、SIMカードを購入する際にもパスポートなどの本人確認が求められますから、パスポートは事前に準備が必要です。
もう一つの方法として、バーチャル電話番号サービスの利用が挙げられます。これらのサービスは、インターネット経由で中国の電話番号をレンタルし、SMS受信などに使用できるものです。多くのバーチャル電話番号サービスは短期的な利用に適しており、オンラインで簡単に契約・利用ができます。
SMSOnline (https://www.smsonline.cloud/ja)を利用した実名認証
SMSOnlineでは、中国の電話番号を常時20個以上無償で開放しています。これらの電話番号は世界中の人々に等しく提供され、中国のWebサイトにおける電話番号認証に有効に利用いただけます。
利用にあたって必要なものは何もなく、今この瞬間からご利用いただけます。
パスポートなどの個人情報をさらけ出して中国のWebサイトに登録することが心配である場合は、SMSOnlineを使って安全にサインアップすることが強く奨励されます。
実名認証を回避することのリスクは?
ここまでご紹介したように、中国のWebサービスにおける実名認証の回避にはいくつかの手段が存在します。
ただし、中国の実名認証を回避することには、いくつかのリスクが伴います。
まず、法律的なリスクが挙げられます。 ただし、既に言及した通り、実名認証は中国政府がWebサービスの運営事業者および利用ユーザーに対して法的に義務付けているものです。したがって、実名認証を回避する行為は違法と見なされる可能性があります。特に、SNSやオンライン決済システムなど、政府が監視を強化している分野では、アカウント凍結や利用停止、さらには罰金や法的処罰が課されるリスクもあります。
また、回避方法によってはセキュリティリスクも存在します。エージェンシーや第三者に個人情報を提供する場合、情報漏洩や悪用のリスクが高まります。信頼できないサービスを利用すると、個人情報が不正に使用される可能性があるため、十分な注意が必要です。
これらのリスクを考慮すると、実名認証を回避することは慎重に検討すべき行為です。
SMSOnlineを通じた実名認証では、そもそも何の個人情報もさらけ出すことはありませんから、いずれのリスクも侵すことなく安全にご利用頂けます。
また、SMSOnlineは既に5年以上の運営実績を有するサービスであり、信頼と実績に裏打ちされています。
また、当社が提供する電話番号はユーザーによるレーティングシステムを実装しています。
電話番号が正常に使用できたかどうか、他のユーザーのレビューを参考にして使用できることは大きなメリットです。
中国Webサービス利用時の注意点
ここまで、中国のWebサービス利用における実名認証について、その方法やリスクをご紹介しました。
最後に、セキュリティとプライバシー保護に関する注意点をご紹介します。中国では、実名認証が広く導入されており、政府によるインターネット監視が強化されています。このため、サービス利用時に個人情報がどのように扱われるのかを理解し、適切に対策を講じることが重要です。
まず、個人情報の提供には慎重になることが大切です。実名認証の過程で、名前、住所、電話番号、パスポート番号などの個人情報が求められることがあります。これらの情報は、サービス提供者だけでなく、政府機関に提供されることがあるため、情報の取り扱いには十分な注意が必要です。可能であれば、最低限の情報を提供し、必要以上の個人情報を入力しないように心がけましょう。
さらに、データの取り扱いに注意することも必要です。多くの中国のWebサービスは、利用者のデータを収集・分析し利用しています。利用規約やプライバシーポリシーを確認し、どのようなデータが収集され、どのように使用されるのかを把握しておくことが大切です。また、不要なデータの共有を避けるために、アプリの権限設定を見直すことも推奨されます。
最後に、情報の検閲や制限に留意する必要があります。中国では、特定のキーワードやコンテンツが検閲対象となっており、これに触れることでアカウントが制限されることがあります。慎重な言動を心がけ、デリケートな話題には触れないことが賢明です。
これらの注意点を踏まえた上で、中国のWebサービスを安全に利用することが求められます。セキュリティとプライバシー保護に対する意識を高め、リスクを最小限に抑えるよう心がけましょう。